糖尿病
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糖尿病性骨減少症における疫学調査 (第3報)
糖尿病性合併症に関する全国調査
後藤 由夫阿部 隆三中川 昌一小坂 樹徳坂本 信夫井村 裕夫兼子 俊男三村 悟郎
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キーワード: 糖尿病, 疫学調査, 合併症
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1989 年 32 巻 1 号 p. 9-19

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抄録
全国235施設の糖尿病患者10,569例について糖尿病性網膜症, 腎症, 神経症の三大合併症の疫学調査を行なったので成績を報告する.
性別では単純性網膜症の頻度が男性に比し女性に有意に高いが, 神経症と腎症の頻度に性差がみられなかった.また, 調査時年齢別による三大合併症の頻度はいずれも加齢と共に有意に増加したが, 発症年齢別では網膜症の頻度が若年発症ほど有意に高いことを示した.治療法別では, いずれもインスリン治療群で合併症の頻度が最も高く, 次に経口剤治療群で食事療法群とくらべ高頻度であった.血糖コントロール別ではいずれの合併症もコントロール不良群で高頻度であった.一方, 全国7地区別に比較すると, 網膜症は東北および九州地区で, 腎症 (持続性蛋白尿陽性者) は北海道地区で, 神経症は東北, 中部, 近畿, 九州地区でそれぞれ高頻度であった.また, 日本海と太平洋側に分けて三大合併症の頻度をみると, いずれも日本海側で高い値を示した.
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© 社団法人 日本糖尿病学会
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