糖尿病
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32 巻 , 1 号
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  • 筒井 理裕, 小沼 富男, 朴 明俊, 落合 滋, 梁田 敦子, 武部 和夫
    1989 年 32 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1989/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン非依存型糖尿病患者14名 (男2名, 女12名) を対象とし, アップルファイバー (AF) の血中アポ蛋白濃度に対する効果について検討した.AFは1日15gを16週間投与した.アポ蛋白AIは投与前 (119±6mg/dl, Mean±SE) と比べて16週後 (141±5mg/dl) に有意 (p<0.01) に増加し, アポ蛋白Bは投与前 (151±9mg/dl) と比べて8週後 (137±9mg/dl), 16週後 (131±8mg/dl) に有意 (いずれもp<0.05) に低下した.アポ蛋白B/AI比であらわしたアポ蛋白動脈硬化指数は投与前 (1.29±0.08) と比べて8週後 (1.17±0.09), 16週後 (0.95±0.07) に有意 (それぞれp<0.05, p<0.01) に低下した.これらはAFの投与が血中アポ蛋白に抗動脈硬化的な変化をもたらすことを示唆する成績であり, 糖尿病患者にAFを投与することは意義あることと思われた.
  • 後藤 由夫, 阿部 隆三, 中川 昌一, 小坂 樹徳, 坂本 信夫, 井村 裕夫, 兼子 俊男, 三村 悟郎
    1989 年 32 巻 1 号 p. 9-19
    発行日: 1989/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    全国235施設の糖尿病患者10,569例について糖尿病性網膜症, 腎症, 神経症の三大合併症の疫学調査を行なったので成績を報告する.
    性別では単純性網膜症の頻度が男性に比し女性に有意に高いが, 神経症と腎症の頻度に性差がみられなかった.また, 調査時年齢別による三大合併症の頻度はいずれも加齢と共に有意に増加したが, 発症年齢別では網膜症の頻度が若年発症ほど有意に高いことを示した.治療法別では, いずれもインスリン治療群で合併症の頻度が最も高く, 次に経口剤治療群で食事療法群とくらべ高頻度であった.血糖コントロール別ではいずれの合併症もコントロール不良群で高頻度であった.一方, 全国7地区別に比較すると, 網膜症は東北および九州地区で, 腎症 (持続性蛋白尿陽性者) は北海道地区で, 神経症は東北, 中部, 近畿, 九州地区でそれぞれ高頻度であった.また, 日本海と太平洋側に分けて三大合併症の頻度をみると, いずれも日本海側で高い値を示した.
  • 上田 信行, 山崎 義光, 直 克則, 関谷 正志, 河盛 隆造, 七里 元亮, 鎌田 武信
    1989 年 32 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 1989/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    自己血糖測定用の機器として, 抗血栓性に優れたalginate-polylysine-alginate (APA) 3層膜を被覆した微小針型ブドウ糖センサを開発した.in vitroにおけるセンサ特性の検討では, センサ出力は0~400mg/dlのブドウ糖濃度に対して良好な直線性を示した.一方, 抗凝固剤を加えない50μlの新鮮全血にセンサを浸漬した際, センサ出力は2分以内に頂値に達した.8本のセンサにおいて各センサにつき15~20回の全血血糖測定時のセンサ出力から算出した全血血糖値 (Y) と血漿ブドウ糖濃度 (X) との相関はr=0.974±0.029 (平均±標準偏差) であった (Y=AX+Bとすると, A=1.01±0.10, B=1.69±6.51). 15回目のセンサ出力と血漿ブドウ糖濃度との比は, 95±19%(n=8) であった.これらの結果より, APA膜を被覆した微小針型ブドウ糖センサは, 血糖自己測定に有用であることが示唆された.
  • 下村 洋之助, 高橋 正樹, 清水 弘行, 佐藤 則之, 上原 豊, 岩下 章, 犬飼 敏彦, 諏訪 邦彦, 小林 功, 小林 節雄
    1989 年 32 巻 1 号 p. 27-33
    発行日: 1989/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    群大式行動分析装置を用い, ストレプトゾトシン (STZ) 糖尿病 (DM) ラットにおける食行動の病態分析を, 明暗期に分けて検討した.
    (I), STZ投与2ヵ月後の検討
    (1), 自発運動量は, DM群では明期で対照群とほとんど差はなく, 暗期のみ (特にam 0時-am 6時) 有意に減少を示した. (2), 飲水量は, DM群では1日278mlと対照群の約6倍を示した. (3), 摂食量は, DM群では対照群の約2倍に達した.
    (II), STZの急性効果に関する検討
    (1), 自発運動量は, STZ投与3日以降に暗期のみ有意な減少を示した.8日以降は, 暗期すべての時間帯で減少していた. (2), 飲水量は, STZ投与3時間以内に明らかな増加を示した.摂食量は, STZ投与1-2日以内に有意に減少したが, 5日目以降は著明に増加した.これらの観察から, STZ糖尿病ラットにおいて, 自発運動, 飲水および摂食等の食行動異常の発現時期を明らかにした.
  • 鈴来 和男, 本多 真, 佐藤 信行, 鈴木 隆, 藤川 淳, 梶沼 宏
    1989 年 32 巻 1 号 p. 35-42
    発行日: 1989/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    91名のインスリン非依存型糖尿病患者につき早朝空腹時の血中中間代謝産物濃度を測定した.その結果 (1) 非糖尿病者に比べて血糖, 遊離脂肪酸, グリセロールおよび総ケトン体は有意に高値であり, アラニンは有意に低値であった. (2) 血糖値と代謝産物との間には明らかな相関は無かった.また血糖値120mg/dl未満の症例においても総ケトン体は有意に高値であった.特にインスリン治療例ではアラニンとピルビン酸にも有意な低値がみられ, これらの異常はむしろコントロール不良群において是正される傾向があった. (3) CPRとケトン体との間には負の, またアラニンおよびピルビン酸との間には正の相関がみられ, CPRが高値となるにつれてこれらの異常は是正される傾向がみられた. (4) 入院により短期間に血糖の是正を行った20例では血糖と代謝産物濃度との推移に乖離がみられた.
    以上の成績から, 糖尿病の治療にあたってはケトン体やアラニン等の各種の代謝産物濃度を指標とし, 血糖のみならずこれらの指標をも是正することが望ましいと思われる.また代謝産物濃度の異常は内因性インスリンの乏しい症例で顕著であった.
  • 佐々木 秀行, 山田 眞智, 中 啓吾, 里神 永一, 南條 輝志男, 宮村 敬
    1989 年 32 巻 1 号 p. 43-49
    発行日: 1989/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病 (DM) 患者66名, 健常者72名の聴性脳幹反応 (auditory brainstem response: ABR) を記録し中枢神経機能につき検討した.ABR潜時には性差がみられたが, 男女いずれにおいてもDM患者のABR潜時は健常者と比較して, V波潜時, I-V, III-V波頂間潜時 (IPL) が有意に延長し, II波の出現頻度が有意に低値であった.ABR潜時とクリック音, 低音域, 会話音域の聴力域値との間に有意な関連性を認めなかった.ABR潜時の異常出現率は神経伝導速度 (NCV), 振動覚域値 (VPT), 心電図R-R間隔の変動係数 (CVR-R) よりも低率であった.ABR潜時とNCV, VPT, CVR-Rの間には有意な相関関係が見られ, 特にCVR-Rとの関連性が注目された.合併症を有する患者のABR潜時は有さない患者よりも有意に延長していたが, NCV, VPT, CVR-Rと比べてABR潜時と合併症との関連性は軽度であった.よって, DM患者の脳幹部聴覚路に機能異常の存在することが示唆された。
  • 芳野 原, 鹿住 敏, 笠間 敏雄, 岩井 正秀, 松葉 光史, 岩谷 逸平, 松下 正幸, 馬場 茂明
    1989 年 32 巻 1 号 p. 51-56
    発行日: 1989/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    コレステロール合成阻害剤 (CS-514, pravastatin) が臨床上, 高トリグリセライド (TG) 血症患者の血中TGを下降せしめるメカニズムを明らかにするため, 以下の実験を行なった.実験I, Wistar系雄ラットを2群に分け, 1群にCS-514を飲料水に溶解し摂取させた (0.04% 15±1mg/day S群), 他の1群は対照とした (C群)。14日目に非絶食下で採血とTGの分泌率 (TGSR, Triton法) の測定を行なった。実験II, CS, C群を各々, さらに2群に分けI群に蔗糖 (S) を飲料水に溶解し (10%), 高TG血症モデルラットを作成した (CS+S, S群) 他の1群は対照とし (CS, C群), 実験Iと同様に絶食下でTSGRを測定した。非絶食下でCS群の血中および超低比重リボ蛋白 (VLDL) 中のTGとTGSRはC群に比し, 有意に下降した。絶食下ではCS+SとS群, CSとC群の各々の間で血中TGとTGSRに差は認められなかった。以上, CS-514の血中TG低下作用は主にVLDL-TG分泌抑制によるものと理解されるが, その効果は非絶食下のみにおいて認められ, 絶食時あるいは蔗糖投与による高TG血症ラットにおいては認められなかった。
  • 山城 有機, 谷口 洋, 原 泰久, 石原 健造, 江尻 一成, 馬場 茂明
    1989 年 32 巻 1 号 p. 57-59
    発行日: 1989/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    It has been reported in the USA and Korea since 1975 that Vacor®, rodenticide, containing N-3-pyridylmethyl N'-p-nitrophenyl urea causes insulin-dependent diabetes mellitus. The pathomechanism of Vacor®-induced diabetes mellitus has yet to be clarified. The effect of Vacor®, therefore, was studied in terms of insulin release from isolated rat pancreatic islets. Vacor® suppressed glucose-stimulated insulin release, but did not affect the insulin release induced by theophylline or 12-o-tetra-decanoylphorbol 13-acetate. It was suspected that the suppression of insulin release from pancreatic islets by Vacor® may contribute to the pathomechanism of Vacor®-induced diabetes mellitus and that this suppression might not be related to cAMP anc C-kinase.
  • 播 穣治, 横野 浩一, 小川 渉, 坂本 泰三, 川瀬 芳人, 米澤 一仁, 馬場 茂明
    1989 年 32 巻 1 号 p. 61-63
    発行日: 1989/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Stable transfectants in Chinese hamster ovary cells that express the protein encoded by human insulin-like growth factor I (IGF-I) receptor cDNA (CHO. IGFIR cells) were tested for the stimulatory effect of IGF-I on poly (glu-tyr) phosphorylation and glycogen synthesis. Using 32P-ATP, IGF-I stimulated the incorporation of 32P into poly (gly-tyr) in a dose-dependent manner. IGF-I also stimulated glycogen synthesis in this cell line, while much less stimulation was observed in parental CHO cells. These results indicate that the human IGF-I receptor on this cell line is functional and thus likely to be a useful tool in studying the role of IGF-I receptor.
  • 岩間 令道, 野村 誠, 今野 英一, 斉藤 雄二, 渡会 隆夫, 星山 俊潤, 松島 洋之, 河盛 隆造, 鎌田 武信
    1989 年 32 巻 1 号 p. 65-67
    発行日: 1989/01/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Glucocorticoid is known to increase insulin receptor mRNA, but it is unclear whether or not this effect is mediated through the glucocorticoid receptor.
    In this study, by using RU 38486, which has a strong affinity for glucocorticoid receptors without exerting any glucocorticoid-like action, we investigated how dexamethasone affects insulin receptor mRNA levels in IM-9 cells.
    The following results were obtained:
    1) After 24 hours of culture, dexamethasone (10-6M) significantly increased insulin receptor mRNA levels in IM-9 cells.
    2) In a dose-dependent manner (10-8-10-10M), RU 38486 markedly inhibited the effects of dexamethasone (10-6M) on insulin receptor mRNA levels.
    3) There were no significant changes in insulin receptor mRNA levels in IM-9 cells cultured with RU 38486 (10-8M) alone.
    These results suggest that dexametasone increases insulin receptor mRNA after binding to its receptor at least in cultured IM-9 cells.
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