糖尿病
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ストレプトゾトシン糖尿病ラットにおける食行動異常
下村 洋之助高橋 正樹清水 弘行佐藤 則之上原 豊岩下 章犬飼 敏彦諏訪 邦彦小林 功小林 節雄
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1989 年 32 巻 1 号 p. 27-33

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抄録

群大式行動分析装置を用い, ストレプトゾトシン (STZ) 糖尿病 (DM) ラットにおける食行動の病態分析を, 明暗期に分けて検討した.
(I), STZ投与2ヵ月後の検討
(1), 自発運動量は, DM群では明期で対照群とほとんど差はなく, 暗期のみ (特にam 0時-am 6時) 有意に減少を示した. (2), 飲水量は, DM群では1日278mlと対照群の約6倍を示した. (3), 摂食量は, DM群では対照群の約2倍に達した.
(II), STZの急性効果に関する検討
(1), 自発運動量は, STZ投与3日以降に暗期のみ有意な減少を示した.8日以降は, 暗期すべての時間帯で減少していた. (2), 飲水量は, STZ投与3時間以内に明らかな増加を示した.摂食量は, STZ投与1-2日以内に有意に減少したが, 5日目以降は著明に増加した.これらの観察から, STZ糖尿病ラットにおいて, 自発運動, 飲水および摂食等の食行動異常の発現時期を明らかにした.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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