糖尿病
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針型ブドウ糖センサの新鮮全血測定への応用
上田 信行山崎 義光直 克則関谷 正志河盛 隆造七里 元亮鎌田 武信
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1989 年 32 巻 1 号 p. 21-25

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抄録

自己血糖測定用の機器として, 抗血栓性に優れたalginate-polylysine-alginate (APA) 3層膜を被覆した微小針型ブドウ糖センサを開発した.in vitroにおけるセンサ特性の検討では, センサ出力は0~400mg/dlのブドウ糖濃度に対して良好な直線性を示した.一方, 抗凝固剤を加えない50μlの新鮮全血にセンサを浸漬した際, センサ出力は2分以内に頂値に達した.8本のセンサにおいて各センサにつき15~20回の全血血糖測定時のセンサ出力から算出した全血血糖値 (Y) と血漿ブドウ糖濃度 (X) との相関はr=0.974±0.029 (平均±標準偏差) であった (Y=AX+Bとすると, A=1.01±0.10, B=1.69±6.51). 15回目のセンサ出力と血漿ブドウ糖濃度との比は, 95±19%(n=8) であった.これらの結果より, APA膜を被覆した微小針型ブドウ糖センサは, 血糖自己測定に有用であることが示唆された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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