糖尿病
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日本におけるインスリン自己免疫症候群140例のうち報告のみられた26例のHLA抗原タイプについての統計的分析
江口 洋子平田 幸正荷見 澄子八尾 建史石津 汪三村 悟郎猪股 茂樹福島 英生大塚 吉則中村 純一佐藤 潤一伊藤 久雄
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1989 年 32 巻 12 号 p. 887-892

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抄録

インスリン自己免疫症候群におけるHLA抗原タイプについて検討した. 対象は1970年から1988年3月までに論文発表されたもの, およびアンケート調査により主治医から連絡を受けたインスリン自己免疫症候群140例の中で, HLA抗原タイプの検討が行われている26例である. HLAの測定については, 全例患者リンパ球を用いるスタンダード法により行われたものである. これらの成績については主治医の記載によるものとした. 結果として, インスリン自己免疫症候群におけるHLA-A11, B15 (Bw62), Cw4, DR4の出現頻度が対照人口の中におけるこれらの出現頻度に比較して有意に高いことが判明した. このHLA抗原タイプの特徴は本症候群の誘発に関係すると考えられているSH基を含む薬剤使用の有無, 発症年齢, 発症年度, 性などには直接の関係はないようであった.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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