糖尿病
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インスリン依存度からみた若年発症糖尿病の自然経過に関する検討
横山 宏樹大谷 敏嘉笠原 督南 昌江内潟 安子平田 幸正
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1991 年 34 巻 10 号 p. 849-855

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抄録

30歳未満発見非肥満糖尿病患者58名においてインスリン依存度の経過を追跡し, その予後の検討を行った. 糖尿病発見後1か月時, 6か月時, 1年時, 2年時, 3年時における空腹時血清Cペプチド値 (B-CPR: ng/ml) およびインスリン投与量 (I-dose: U/kg) を調査し, 各患者を各時点において, A型 (B-CPR≦0.6, I-dose≧0.5), B型 (B-CPR≦0.6, I-dose<0.5), C型 (B-CPR>0.6, I-dose<0.5), D型 (B-CPR>0.6, I-dose≧0.5) に分類した. 発見1か月時にA型, B型であった患者は, 3年時はともに100%がA型に至った. 発見1か月時C型, D型の患者は, 各々その19%, 50%が3年後にA型へ至った. C型よりA型へ至る緩徐なインスリン依存度の進行は, 男性に, また発見時尿ケトン体陽性者に, 多い傾向を認めた. 以上より, 発見1か月時でインスリン分泌が低下しているとインスリン依存度は進行していき, 3年内に確実にIDDMと診断できると考えられた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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