糖尿病
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インスリン非依存性糖尿病および慢性肝障害患者における尿中C-ペプチドを用いたインスリン分泌量の推定
青木 雄次柳沢 康敏清沢 研道古田 精市
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1991 年 34 巻 10 号 p. 857-863

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抄録

インスリン非依存性糖尿病 (DM) 患者40例, 慢性肝障害 (LD) 患者14例, DM+LD患者20例および正常者15例を対象として, 尿中C-ペプチド (UCP) を用いて日常のインスリン分泌量を比較した. 早朝空腹時にC-ペプチド (CP) とクレアチニンの尿中クリアランス比 (CCP/CCR) を測定し, また24時間UCP (24h-UCP) を測定した. (24h-) UCPの補正値= (24h-) UCP/(CCP/CCR×10) とした. 空腹時におけるCPの尿中排泄率は, UCP実測値で平均7.1 (2.2~21.3)%, その補正値で3.5 (2.4~5.3)%であった. 24h-UCPの補正値と血中CPの総和はr=0.93と良好であった. 24h-UCPの補正値によるCPの尿中排泄率が3.5%として1日インスリン分泌量を算出した結果, 健常者では54±20U/日, DM患者では38±23U/日, DM+LD患者では77±38U/日, LD患者では115±54U/日であった. これらより, LD患者ではインスリン必要量の増加が示唆され, その必要量を十分分泌しえない場合に高血糖を呈するものと推測された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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