糖尿病
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Index twinよりco-twinにおいて急激な内因性インスリン分泌能低下をきたした一卵性双生児
溝田 美智代佐伯 明子青木 かを里佐藤 麻子黒木 宏之笠原 督内潟 安子高橋 千恵子大森 安恵
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キーワード: IDDM, NIDDM
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1996 年 39 巻 7 号 p. 517-522

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抄録
先に糖尿病を発症したindex twinの方が, 2年後に発症したco-twinより良好な内因性インスリン分泌を保持している一卵性双生児を経験した. index twinは29歳男性, 一卵性双生児の弟, 口渇, 多飲, 多尿を主訴に受診, ケトーシスも認めたためインスリン療法を開始し, 血糖コントロールは良好となったが, 発症から2年後の現在も尿中CPR78.8μg/dayと内因性インスリン分泌は保たれている. co-twinは31歳男性, 一卵性双生児の兄, index twinの発症2年後に口渇, 多飲, 多尿を主訴に受診し, ケトーシスも認めた. インスリン療法を開始し, 血糖コントロールは良好となったが, 内因性インスリン分泌の低下を認めIDDMと診断した. 糖尿病発症に及ぼす遺伝因子の影響やIDDMとNIDDMの共通性の問題から興味ある症例と思われた.
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© 社団法人 日本糖尿病学会
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