糖尿病
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北海道農村部における耐糖能異常の生命予後に及ぼす影響
端野・壮瞥研究 (18年間の前向循環器疫学調査) から
高木 覚斉藤 重幸島本 和明
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1998 年 41 巻 4 号 p. 257-265

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抄録

一般住民における耐糖能異常の生命予後を知る目的で, 北海道2農村で無作為抽出した40-64歳の男女一般住民1996名 (平均年齢51.1=±6.3歳) を対象に1977年 (初年度) より18年間にわたり前向き疫学調査を継続し1995年8月31日までの予後調査で追跡し得た1819名 (追跡率91%) を対象に解析した. 耐糖能型の判定は経口ブドウ糖負荷試験によった. 初年度の耐糖能分類の内訳は正常耐糖能 (NGT) 885名, 境界型糖尿病 (BDM) 798名, 糖尿病 (DM) 113名であった. 18年間の死亡者は256名であった. 累積生存率はNGT, BDM, DMの順に有意に低下した. 耐糖能異常群の死因の第1位は悪性新生物で, 以下心疾患, 脳血管疾患であった. Cox比例ハザードモデルによる解析で男性で年齢補正した耐糖能異常群の総死亡リスク比は1.43 (95%CI: 1.02-2.00) と有意に高かった. 脳・心血管死をend-pointとした累積生存率は耐糖能異常群でNGTに比して有意 (p<0.05) に低値であった.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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