糖尿病
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糖尿病性腎症と鑑別が困難であった原発性アミロイドーシスの2例
祖山 暁子西村 元伸浜口 欣一山田 研一土田 弘基
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1998 年 41 巻 4 号 p. 277-281

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抄録

糖尿病性腎症の診断は糖尿病歴, 他の合併症の程度などを参考にされることが多い. しかしこの様な方法では合併症の進展した時期の糖尿病性腎症と原発性アミロイドーシスによる腎障害の区別をすることは必ずしも容易でない. 我々は, 糖尿病に合併した腎障害を2例経験した. 両症例とも, 糖尿病歴が長く, 自律神経障害もあったので糖尿病性腎症と考えていたが, 最終的に原発性アミロイドーシスの合併が組織学的に証明された. 今回経験した症例では, 網膜症の有無の他に, 糖尿病性腎症のみでは説明し難い低栄養状態がアミロイドーシス診断のきっかけとなった. なお, 肝脾腫, 巨舌, 心伝導障害などのアミロイドーシス特有の所見の注意深い検索も重要と考えられた

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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