1998 年 41 巻 7 号 p. 501-506
Glutamic acid decarboxylase (GAD) 抗体の抗体価が高いほど, インスリン依存型糖尿病発症への進行が緩徐であるという報告がある. そこで, IDDM (95例) とSPIDDM (64例) における, インスリン分泌能とGAD抗体価の関連にっき検討した. GAD抗体陽1生率は, 罹病期間5年から15年で, SPIDDMでIDDMに比較して有意 (P<0.01) に高かった. インスリン分泌能とGAD抗体価との関連で, 罹病期間5年以内のIDDMでは, GAD抗体価とインスリン分泌能に有意の正の相関 (r=0.43, p<0.05) をみた. しかし, 罹病期間6年以上のIDDMでは, GAD抗体価とインスリン分泌能に関連は認めなかった. SPIDDMでは, 罹病期間ごとの検討でも, GAD抗体価とインスリン分泌能に関連を認めなかった.