糖尿病
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インスリン抵抗性の簡便な臨床的評価法に関する検討
本態性高血圧症例での検討
老松 寛斉藤 重幸浦 信行島本 和明
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2000 年 43 巻 3 号 p. 205-213

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抄録
正常者13例および本態性高血圧患者47例でeuglycemic hyperinsulinemic glucose clampおよび経囗ブドウ糖負荷試験を施行, 正常者群から得たM値をイスリン感受性の標準とし, これと糖負荷試験時の諸指標を用い, 臨床上簡便に応用し得るインスリン抵抗性の代替指標について検討した. 結果: 1) 諸指標中糖負荷120分後の血漿インスリン (以下IRI120と略す) 値がM値と最も強い負の相関 (r=-0.57) を示した. 2) M値のmean-1SDを基準として高血圧患者を分類すると抵抗性陽性者は28例, 59.6%であった. 3) 抵抗性陽性群の空腹時IRIおよびHOMA指数は, 正常群および非抵抗性群のそれらに比し有意に高値であった. 4) インスリン抵抗性陽性のcut off値をIRI120で64mU/l以上あるいはHOMA指数で1.73以上とすると, その際の感度および特異度は, 各々, 71.4, 94.7%あるいは643, 78.9%であった. 結論: 簡便なインスリン抵抗性の指標として, 糖負荷試験が可能な場合にはIRI120が, 不可能な場合にはHOMA指数が有用と思われる.
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© 社団法人 日本糖尿病学会
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