糖尿病患者において, 飲酒量の違いにより, HbA
1cおよび動脈硬化危険因子である血圧, 血清脂質値に違いあるかどうかを検討する. 対象/方法: 対象はインスリンまたは糖尿病治療薬を使用していない糖尿病男性患者125名. 1週間の飲酒量別に, 日本酒換算土で0合群, 0.1-6.9合群, 7.0-13.9合群, 14合以上群の4群に分け検査値を比較した, 結果: HbA
1cは0合群6.8%, 0.1-6.9合群6.7%, 7.0-13.9合群62%, 14合以上群6.5%であったが, 4群間に有意差は認められなかった. HDLCは飲酒量の増力口に伴い上昇し, 0合群と14合以上群の間で有意差が認められた, トリグリセリドは0合群と比較し14合以上群で有意に高値であった. 血圧, 総コレステロール, LDL-Cには飲酒による有意の影響は認められなかった. 4群を年齢, 肥満度, 喫煙量, 運動量で調整して比較すると, トリグリセリドの0合群と14合以上群の間の差は有意でなくなったが (p=0.09), その他の検査値は調整前とほぼ同様の結果であった, 結論: 本研究の対象者においては, 14合/週までの飲酒量では血糖および動脈硬化危険因子に悪影響を及ぼさなかった. しかしながら, さらに大規模な調査を行い確認する必要がある.
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