2017 年 69 巻 4 号 p. 216-234
本研究の目的は,横浜市学校司書配置政策の形成過程とその構造を明らかにすることである。研究の枠組みとして政策形成過程研究および「政策ネットワーク」という概念モデルを用いた。分析の結果,市長,市教委,指導主事,市会議員,市民団体が政策ネットワークを形成していたことが明らかになった。政策課題の認識には学校司書配置を要求する市民団体と市会議員の影響力が大きく,政策の決定段階では市長の意向が強く影響した。1 校1名の専任配置は実現したが,採用形態は非常勤特別職であり,司書資格は採用条件に入らなかった。