凍結および乾燥研究会会誌
Online ISSN : 2432-9916
Print ISSN : 0288-8297
4. 各種微細藻類の液体窒素による凍結保存法の検討 : 凍結後の生存について(昭和59年度第30回凍結および乾燥研究会特別講演および研究会報告)
渡辺 信笠井 文絵樋渡 武彦須田 彰一郎根井 外喜男
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1984 年 30 巻 p. 23-26

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抄録
藍藻16種1変種33株,緑藻22種24株の液体窒素凍結後の生存について検討した.凍結条件としては二段階凍結法と急速凍結法を使ってその比較を行い,また凍結保護剤としてDMSOの有効性を調べた.その結果,藍藻類では,33株のうち27株で凍結後の生存がみられ,またこの生存確認株のうち14株で良好な生存が確認された.藍藻クロオコックス目は,DMSO 5%または10%の2段階凍結で良好な生存を示した.ネンジュモ目については一部にDMSOの有効性が確認されたが,ほとんどはDMSOの有効性はなく,更に凍結手法にも依存していないことが判明した.また緑藻類では,24株のうち11株で凍結後の生存が確認されたが,良好な生存を示した株はなかった.生存が確認された株のほとんどはクロロコックム目に属するもので8株をしめ,残り2株はオオヒゲマワリ目,1株はホシミドロ目に属した.
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© 1984 低温生物工学会
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