凍結および乾燥研究会会誌
Online ISSN : 2432-9916
Print ISSN : 0288-8297
凍結骨格筋の形態に与える冷却保存温度と浸透圧脱水シートの使用の影響(昭和63年度第34回凍結及び乾燥研究会研究報告)
萩原 雄二埜中 征哉桶田 利加石井 弘子
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1988 年 34 巻 p. 45-50

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抄録

シートにてラット骨格筋を低温浸透圧脱水(11%〜15%の重量減少)した後,低温保存した.本筋について凍結切片を作製し,光学顕微鏡にて観察し以下の結果を得た.(一部,電顕観察した.)1)瞬間凍結したシート処理筋および無処理筋(対照)は-25℃に一定に保存すれば,少なくとも2ケ月間は形態学的に変化は認められなかった.(光顕レベル)2)筋組織の変性を比較的敏感に反映すると考えられるミトコンドリア酵素に差をみるほどの変性は存在しなかった.3)低温保存でも温度差がある場合,氷の結晶を生じ易い.しかし,シート処理で氷の結晶形成はかなり抑制でき,変性を遅らせることができる.(光顕および電顕レベル)

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© 1988 低温生物工学会
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