日本トキシコロジー学会学術年会
第32回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: Y-35
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優秀研究発表賞応募演題
PCB126胎生期暴露のラット精巣への影響についての検討: 2 老齢期における影響に関する検討
*高木 文雄赤木 洋祐佐怒賀 宣之横尾 清文武藤 朋子金井 好克遠藤 仁和久井 信
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抄録
ダイオキシン類による汚染は地球規模で広がっているが、そのうちCo-PCBs は水・堆積物・魚・野生動物、およびヒトの脂肪組織・ミルクならびに血清を含む地球の生態系のほとんどすべての構成要素に汚染物質として検出されているまた他のダイオキシン類に比べその生物濃縮性が高いことが知られ、さらに、胎盤・授乳を介して次世代に移行するため、次世代への影響が示唆されている。我々はPCB126胎生期暴露が老齢期のラット精子形成サイクルにどの様な影響をおよぼすかについて検討した。SD(slc)ラット妊娠13?19日目までPCB126を7.5ug/kg/day(7.5ug群)、250ng/kg/day(250ng群)、0ng/kg/day(対照群)連日経口投与を行った。出生後、52週齢、90週齢に安楽死後に剖検し精巣を剖出した。各精巣はPAS染色を施し、精細管における精子形成サイクルにおけるステージ分類について観察し各対照群と比較検討を行った。生後52週齢・90週齢での体重および精巣重量は各群間で有意差は認められなかった。生後52週齢では250ng群のグループ1(ステージ1?4)の出現率の増加が認められた。これに対し、生後90週齢では7.5ug群のグループ4(ステージ12?14)の出現率の増加が認められた。本検討から、PCB126胎生期暴露が老齢期のラット精子形成サイクルに影響を及ぼすことが明らかとなった。
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© 2005 日本毒性学会
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