日本トキシコロジー学会学術年会
第32回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: Y-34
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優秀研究発表賞応募演題
PCB126胎生期暴露のラット精巣への影響についての検討:1 成長期における影響に関する検討
*赤木 洋祐佐怒賀 宣之高木 文雄横尾 清文武藤 朋子金井 好克遠藤 仁和久井 信
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抄録
ダイオキシン類による汚染は地球規模で広がっているが、そのうちCoplanar-polychorinated biphenyls (Co-PCBs) は水・堆積物・魚・野生動物、およびヒトの脂肪組織・ミルクならびに血清を含む地球の生態系のほとんどすべての構成要素に汚染物質として検出されているまた他のダイオキシン類に比べその生物濃縮性が高いことが知られている、さらに、胎盤・授乳を介して次世代に移行するため、次世代への影響が示唆されている。我々はPCB126胎生期暴露が成長期のラット精子形成サイクルにどの様な影響をおよぼすかについて検討した。SD(slc)ラット妊娠13?19日目までPCB126を7.5ug/kg/day(7.5ug群)、250ng/kg/day(250ng群)、0ng/kg/day(対照群)連日経口投与を行った。出生後、7週齢、17週齢に安楽死後に剖検し精巣を剖出した。各精巣はPAS染色を施し、精細管における精子形成サイクルにおけるステージ分類について観察し各対照群と比較検討を行った。生後7週齢・17週齢での体重は各群間で有意差は認められなかったが、精巣重量はPCB126暴露用量と有意な逆相関係を示していた。生後7週齢では7.5ug群のグループ1(ステージ1?4)の出現率の増加が認められた。また、生後17週齢では、7.5ug群のグループ1(ステージ1?4)・グループ3(ステージ9?11)・グループ4(ステージ12?14)、250ng群ではグループ1(ステージ1?4)の出現率の増加が認められた。本検討から、PCB126胎生期暴露が成長期のラット精子形成サイクルに影響を及ぼすことが明らかとなった。
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© 2005 日本毒性学会
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