日本トキシコロジー学会学術年会
第34回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-30
会議情報

生殖発生幼若毒性
食用黄色4号のマウスの行動発達に及ぼす影響
*田中 豊人高橋 省大石 眞之小縣 昭夫
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】以前の研究 (Food Chem. Toxicol. 44 (2006) 179-187) において次世代の雄幼若マウスの探査行動に抑制的な影響を示した食用黄色4号について3世代毒性試験を行い、マウスの行動発達に及ぼす影響の再現性の有無について検討する。 【方法】食用黄色4号を混餌法によりCD1マウスに0(対照群)、0.05%、0.15%、0.45%となるように調製してF0世代の5週齢からF2世代の9週齢までの3世代にわたって投与して、マウスの行動発達に及ぼす影響について検討した。 【結果】F1世代の授乳期における雄仔マウスの7日齢時遊泳試験の方向が用量依存的に促進され、雌仔マウスの7日齢時正向反射が用量依存的に抑制された。また、F2世代の授乳期における雄仔マウスの7日齢時遊泳試験の方向が高濃度投与群で促進され、雄仔マウスの14日齢時嗅覚性指向反応における所要時間が用量依存的に短縮された。さらに、探査行動についてはF1世代の雄幼若マウスの移動時間・総移動距離・平均移動距離・方向回転数が用量依存的に抑制される傾向が見られた。さらにF2世代の雄幼若マウスでは総移動距離・平均移動距離・平均移動速度が用量依存的に抑制される傾向が見られ、雄成体マウスでは動作回数・総移動距離・平均移動距離・平均移動速度・立ち上がり回数が用量依存的に抑制される傾向が見られた。 【まとめ】今回の実験により食用黄色4号の投与がマウスの探査行動に及ぼす抑制的な影響について再現性が確認でき、F2世代においてはF1世代では影響が見られなかった雄成体マウスでも探査行動に抑制的な影響が見られた。

著者関連情報
© 2007 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top