日本トキシコロジー学会学術年会
第34回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-123
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試験法 in vivo
イヌにおけるホルター心電計使用時の馴化の必要性および血液パラメーターへの影響
小池 智宏松尾 洋*竹川 潔柴田 博稲村 直樹原田 浩行白川 清井上 芳已宇野 芳文務台 衛
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キーワード: ホルター, 心電図, イヌ
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抄録
【目的】われわれはイヌを用いた一般毒性試験へのホルター心電計導入を検討中である.今回,ホルター装着の馴化条件および血液学的検査・血液化学検査パラメーターへの影響の有無を検討した. 【方法】<実験1>ビーグル犬雄1頭雌2頭(9~12ヶ月齢)を用い,ジャケットを3,7,10または13日間連続装着した後に,長時間心電用データレコーダー(QR2100,フクダエム・イー工業(株)),電極(KP-301,フクダエム・イー工業(株))を用いて心拍数の経時変化を24時間記録した.電極には使い捨て電極スキンタクト(FS-50,フクダエム・イー工業(株))および電極パットグッドタクト(GT-80,フクダエム・イー工業(株))を用いた.同様に他のビーグル犬雄1頭雌2頭(9~12ヶ月齢)を用い,ジャケットへの馴化をせずに計測し,比較した. <実験2>ビーグル犬雌雄各5頭(6ヶ月齢)を用い,24時間のホルター心電計測定終了直後に採血して血液学的検査および血液生化学検査を実施し影響の有無を検討した.影響のみられた測定項目については,その回復性(ホルター心電計測定終了後2および4日)を検討した. 【結果】<実験1>心拍数に馴化訓練の有無,ならびに馴化訓練日数による差はみられなかった. <実験2>血液学的検査において白血球および好中球が増加した.これらの変化は2日後には回復した.生化学的検査値に変動はみられなかった. 【結論】ホルター心電計用ジャケット装着に対する馴化は必要ないと考えられた.粘着性の高い心電図パットの影響と考えられる白血球および好中球の増加は2日後には回復したが,ホルター心電計測と血液学的検査との日程調整の配慮が必要と考えられた.
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© 2007 日本毒性学会
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