日本トキシコロジー学会学術年会
第35回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-100
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毒性試験
ジメチルホルムアミドのビーグル犬における急性毒性
*長沼 悟白川 誉史田畑 肇白木 克尚豊田 祐司大畠 武二
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抄録
【目的】
静脈内投与時の溶媒として用いられるジメチルホルムアミド(DMF)に関する毒性情報はラットで多いがイヌではほとんど報告がない。今回,ビーグル犬にDMFを静脈内投与した際の急性毒性を検討した。

【方法】
雌性ビーグル犬に50%DMFを静脈内bolus投与(4mL/kg)した。投与後,一般症状観察,摂餌量測定,臨床病理検査(生化学検査,血液学検査)を実施し,投与後1あるいは3日に剖検し病理組織学検査および肝遺伝子発現解析(Affymetrix GeneChip Canine Genome 2.0),投与後4あるいは5日に瀕死解剖し病理組織学検査を実施した。

【結果および考察】
投与日に嘔吐,便性状の異常,失調歩行,摂餌廃絶が認められた。投与翌日から3日後まで一般症状および臨床病理検査値に異常は認められなかったが,投与後4あるいは5日に嘔吐,自発運動の減少,口腔粘膜蒼白,着色尿,腹臥,摂餌廃絶が認められたため瀕死解剖した。瀕死解剖日の臨床病理検査においてAST・ALTの上昇,ALPの上昇,ビリルビンの上昇,網赤血球数・血小板数・白血球数の減少,PT・APTTの延長が認められた。肝臓は脆弱化し,類洞の鬱血,出血を伴う小葉中心性肝細胞壊死が認められた。現在,肝遺伝子発現解析中である。
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© 2008 日本毒性学会
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