日本トキシコロジー学会学術年会
第35回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-108
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毒性試験
フタル酸エステルDEHPとその活性代謝産物MEHPの比較毒性学的研究
*今井 清坪井 優向井 大輔山下 龍関田 清司高木 篤也北嶋 聡菅野 純
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抄録
医療用具として汎用されているポリ塩化ビニルには、柔軟性を保持する目的で可塑剤としてフタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)が添加されており、その溶出が明らかにされている。 DEHPは齧歯類に肝毒性あるいは精巣毒性を惹起するが、それは生体内のリパーゼによる代謝物であるフタル酸モノ-2-エチルヘキシル(MEHP)よるものと考えられている。最近、プラスチック製医療用具をガンマ線滅菌すると、MEHPが溶出することが報告されたが、in vivoにおいてはMEHPの毒性はほとんど調べられていない。そこで今回、DEHPおよびMEHPの齧歯類を用いた28日間反復投与試験を実施し、両化合物の毒性プロファイルを比較検討した。
雄性のSprague-Dawley系ラット(Crl:CD)およびC57BL/6CrSlcマウスを使用し、ラットは7群(7匹/群)に分け、DEHPを 0(溶媒:コーン油)、200、700、2000 mg/kg 、MEHPを70、200、700 mg/kg、マウスは8群(10匹/群)に分け、DEHP を0(コーン油)、 50、500、1500 mg/kg、MEHP を0(コーン油)、 50、150、500 mg/kg の用量でそれぞれ1日1回28日間強制経口投与し、血液学的、血液生化学的,病理学的検査を実施した。 その結果、ラット、マウスともにDEHP、MEHPいずれにも肝毒性および精巣毒性が確認されたほか、MEHP投与群では、ラットの高用量群で、呼吸障害あるいは神経症状を伴って食餌摂取量の著明な低下と衰弱により投与22日目および28日目にそれぞれ1例が切迫屠殺された。一方、マウスにおいては、新たにDEHP,MEHP投与により腎尿細管障害が起きる事が明らかにされたが、MEHP投与群では肝障害,精巣障害に比較すると腎毒性がより強く発現した。
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© 2008 日本毒性学会
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