日本トキシコロジー学会学術年会
第35回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-122
会議情報
毒性試験法 I
HepG2細胞を用いたヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)を指標とした in vitro 酸化ストレス評価系
望月 香織*宮本 庸平
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
 ヒト培養細胞株HepG2を用いて、酸化ストレス応答蛋白ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)を指標としたin vitro測定系を構築した。
 1.非代謝活性下におけるHO-1測定系: HepG2細胞に被験物質を添加し、24時間後のHO-1蛋白をELISAで測定した。その結果、酸化ストレス陽性化合物の塩化カドミウムおよびヘムで顕著なHO-1蛋白増加が見られた。一方、陽性化合物MMCおよび4NQO、陰性化合物アスコルビン酸ではHO-1蛋白増加は認められなかった。また、HO酵素活性阻害化合物SnMPでHO-1蛋白増加が認められた。
 2.代謝活性下におけるHO-1測定系: 最終濃度3%のラット肝S9画分と被験物質との混合上清を細胞に添加し、24時間後のHO-1蛋白を測定した。その結果、酸化ストレス陽性化合物ジクロフェナクおよびシクロフォスファミドで顕著なHO-1蛋白増加が見られたが、陽性化合物アセトアミノフェンでHO-1蛋白増加は認められなかった。
 以上のことから、本HO-1測定系において、数種の酸化ストレス陽性化合物がHO-1蛋白を発現誘導することが明らかになり、本測定系が毒性スクリーニングやメカニズム検討に有用であることが示唆された。
著者関連情報
© 2008 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top