抄録
SHEトランスフォーメーションアッセイ(シリアン・ハムスター胎仔細胞トランスフォーメーションアッセイ)をはじめとする、in vitro細胞トランスフォーメーション法は、検体の発がん性を評価する指標とされている。これまでは、目視により細胞コロニーにおける細胞増殖パターンを評価してきた。しかし、この方法では主観を排除できない点、および操作時間の長さが難点として挙げられてきた。
そこで本報ではIN Cell Analyzer1000 ( GE Healthcare ) によるHigh-content analysis技術を用いて、細胞画像取り込みの自動化と、デジタル処理の画像解析によるSHEトランスフォーメーションアッセイを試みた。当該の方法では、従来のギムザ染色細胞に重ねてDAPI染色を行って蛍光イメージングに供し、IN Cell Investigatorソフトウェアによって細胞核形態を数値化することで正常細胞と異常細胞の自動化判定を行った。
本方法は、主観を排除し実験間のばらつきを押さえ、処理時間の短縮が見込めるものである。ここでは細胞レベルおよびコロニーレベルでの数値化結果の表現までのプロセスを報告する。