抄録
ナノマテリアルについては、消費者製品への応用が展開される一方で、その安全性については十分に解明されていないところであり、国内外の研究機関や政府機関、経済協力開発機構(OECD)において、安全対策のための検討が進められているところである。厚生労働省においても、厚生労働科学研究費において、ナノマテリアルへの暴露による有害性の評価に利用可能な手法の開発に資する研究事業を採択してきており、また、ナノマテリアルの用途や生産量等に関する調査事業を行い、実態把握に努めてきている。そして、本年3月には、医薬食品局に「ナノマテリアルの安全対策に関する検討会」を設置し、今後の安全対策の在り方について議論を行うこととしたところである。
本セッションにおいては、OECDの取り組みや海外の政府機関における議論、厚生労働省において実施した調査事業結果、そして、ナノマテリアルの安全対策に関する検討会の議論の内容について紹介したいと考えている。