日本トキシコロジー学会学術年会
第38回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-165
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一般演題 ポスター
Wistar Hannover (RccHanTM:WIST)ラットの104週間飼育時の背景データ
*岡村 俊也鎌田 貴志畠山 和久楠岡 修小川 竜也梅下 和彦望月 雅裕榎並 倫宣岡崎 修三
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抄録
【緒言】Wistar Hannover (RccHanTM:WIST)ラットは、従来のWistar Hannover系ラットの長所を維持しながら、その短所を排除した系統として、現在、毒性試験やがん原性試験への利用に向けて背景データの収集が進められている。今回、当社における104週間飼育時の背景データを報告する。【方法】動物は4週齢で入手、検疫・馴化後に雌雄各100匹を固形飼料群又は粉末飼料群の2群に配し、6週齢より104週間飼育した。飼料はCR-LPF(放射線滅菌、オリエンタル酵母)を用いた。動物は温度23±3℃、相対湿度50±20%、換気回数10~15回/1時間、照明1日12時間に制御された飼育室でステンレス製網ケージに個別収容し、飼料及び水道水を自由摂取させた。観察期間中、一般状態の観察(毎日)、体重及び摂餌量測定(1回/1~2週)並びに眼科学検査(4、13及び26週、並びに12、18及び24箇月)を実施した。104週間の実験終了時に、血液・血液化学検査用に血液を採取した後剖検し、病理組織学検査に供した。本データとの比較にはSD〔Crl:CD(SD)〕ラット(以下SD)及びF344 (F344/DuCrlCrlj)ラット(以下F344)の背景データを用いた。【結果】観察期間終了時の生存率は、雄では固形飼料群で70%、粉末飼料群で66%であり、いずれもSDとF344の中間の値を示した。雌では固形飼料群で74%、粉末飼料群で80%であり、SDより高値を示し、F344と同程度の高い生存率を示した。体重及び摂餌量は、雌雄ともにSDより低値、F344より高値で推移した。眼科学検査では、雌雄ともに各検査ステージで限局性の角膜混濁がSD及びF344と比べて高頻度にみられた。剖検では、雌雄で下垂体結節、雄で腎臓の表面顆粒状、大型化及び退色、雌で胸腺の結節、皮下結節及び子宮のポリープが比較的高頻度にみられた。本会では、血液・血液化学検査及び病理組織学検査の結果を加えて報告する。
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© 2011 日本毒性学会
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