日本毒性学会学術年会
第39回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-243
会議情報

ポスター
ビトリゲルチャンバーを培養担体とする皮膚感作性試験代替モデルを構成する細胞のサイトカイン産生能について
*内野 正竹澤 俊明山下 邦彦小島 肇清水 久美子宮永 裕子五十嵐 良明西村 哲治
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【目的】我々は皮膚感作性試験代替モデルとして、ビトリゲルチャンバーを培養担体とした、正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHSF)、樹状細胞(NHDC)及び表皮角化細胞(NHEK(F))から成る3次元培養ヒト皮膚モデルを開発し、感作性物質によるサイトカイン放出について報告した。しかし、それぞれの細胞のサイトカイン放出への関与については不明な点が多かった。そこで、3種類の細胞を単独で、あるいは2種類を組み合わせて培養し、感作性物質を暴露した時のサイトカイン放出量を測定した。
【方法】 96穴プレートにNHSF, NHDCを播種し、DNCB またはSDSを24時間暴露した後、細胞生存率をCell-Counting kitで、IL-8及び G-CSF放出量をELISAで測定した。角化細胞だけからなるEPI-200モデルまたはビトリゲルチャンバーにNHSF及びNHEK(F) を播種し、同様の物質を1時間暴露した後、サイトカイン放出量を測定した。
【結果及び考察】3種類の細胞を単独で培養した時及びEPI-200モデルでは、溶媒対照に比べてIL-8放出量の顕著な増加は認められず、G-CSF放出量は検出限界以下だった。NHSF及びNHEK(F)の2種類の細胞を播種したモデルでは3種類の細胞を播種したモデル(VGC-KDF-Skin)と比べてIL-8及び G-CSF放出量は有意に少なかった。これらの結果から、G-CSF及びIL-8を皮膚感作性の指標とした時、VGC-KDF-Skinはそれぞれの細胞を単独で培養した時あるいは角化細胞だけからなる皮膚モデル、または2種類の細胞を播種したモデルよりも優位であることがわかった。
著者関連情報
© 2012 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top