日本毒性学会学術年会
第39回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-82
会議情報

ポスター
臨床副作用と非臨床毒性の相関性Ⅴ-臨床適用経路における相関性の特徴-
*荻野 大和中村 和市久田 茂王鞍 孝子米田 保雄服部 健一田牧 千裕高島 吉治安木 大策橋場 雅道永山 隆
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【方法】
平成13~22年までに承認された新有効成分含有医薬品234剤中で抗腫瘍薬及びワクチン剤等を除く薬剤を対象に、5%以上の臨床副作用と非臨床毒性所見の関連性について調査した。臨床適用経路は経口、静脈内、経口及び静脈内、皮下/経皮/筋肉、点眼/硝子体内に部類した。薬効は日本標準商品分類に基づき分類するとともに低分子と低分子以外に分けて、予測性を臨床副作用に対する非臨床所見の有無として分類し、解析した。
【結果】
各臨床適用経路別の低分子及び低分子以外の比率についての解析では、静脈内及び皮下/経皮/筋肉で低分子以外の比率が高かった。1薬剤あたりの副作用発現数では、低分子で経口、低分子以外で静脈内及び点眼/硝子体内が高値であった。臨床適用経路別における予測性の特徴として経口では、薬剤分類別で化学療法剤と中枢神経系用剤、副作用種類で精神神経系の予測性が悪かった。 なお、肝臓や消化器の予測性は良好であった。静脈内では、低分子の副作用種類で全身、消化器等の予測性が悪く、循環器は良好であった。一方、低分子以外では副作用全体的に予測性が悪かった。皮下/経皮/筋肉では、低分子の副作用種類で精神・神経系の予測性が悪く、投与部位や皮膚は良好であった。一方、低分子以外では血液や投与部位を除き副作用全体的に予測性が悪かった。点眼/硝子体内では低分子及び低分子以外とも眼の副作用が大多数を占め、予測性も良好であった。
【結論】
投与経路別特徴として経口で肝臓や消化器、経皮で皮膚、点眼・硝子体内で眼などの副作用に対する非臨床所見の発現率は良好であり、投与経路別の毒性所見の発現しそうな器官は予測性が高かった。一方、低分子では精神神経系など予測が難しい副作用や低分子以外の薬剤では副作用に対する非臨床所見の発現率が悪かった。
著者関連情報
© 2012 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top