日本毒性学会学術年会
第40回日本毒性学会学術年会
セッションID: S12-5
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シンポジウム 12 「ファーマコビジランス」非臨床・臨床ジョイントディスカッションによるヒトでの副作用リスク最小化へのチャレンジ─実践編─心血管系・腎系副作用等「非臨床/トキシコロジストは,臨床最前線の医学専門家等との連携により最先端の科学技術に基づき副作用リスクをどのように読むか」
ヒトiPS細胞由来心筋細胞を用いた安全性薬理試験の開発
*諫田 泰成
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キーワード: iPS細胞, 不整脈, QT延長
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抄録
ヒトiPS細胞は再生医療応用とともに創薬応用に対して強い期待が寄せられている。ヒトiPS細胞から分化誘導した細胞を新薬の非臨床安全性薬理試験に応用できれば,臨床試験移行時の被験者の安全性を高め,臨床試験におけるドロップアウト率を下げることが期待できる。
我々はヒトiPS細胞由来心筋細胞を用いた安全性薬理試験法の研究開発を行い,実用化に向けた問題点を産官学の枠組みで検証している。その結果,創薬応用には再生医療応用と異なる問題点が存在していることが明らかとなってきた。再生医療に関しては,ヒトiPS細胞由来分化細胞の安全性確保の観点から造腫瘍性などの評価が求められ,臨床研究も申請された。一方,創薬応用は,分化細胞をin vitroで利用するためウイルスの導入など細胞の加工は可能である。しかし,分化心筋細胞は静止膜電位が浅いなどの成熟に問題があり,安全性評価の観点から分化心筋細胞の規格化が必要不可欠である。
そこで,我々は,心筋分化誘導法および薬理試験のプロトコールについて整備を行っている。本シンポジウムでは,分化心筋細胞を用いた安全性薬理試験に関する知見を紹介し,心血管系リスク評価に向けて整備すべき課題を議論したい。
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© 2013 日本毒性学会
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