抄録
バイオ医薬品におけるペプチド,タンパク質の会合や凝集現象に伴う各バイオ医薬品に対する免疫原性の発生が,臨床試験中または上市後のタンパク医薬の医薬 品としての是非をも左右する深刻な問題として大きな注目を集めている。特に,Subvisible particlesと定義される粒径0.1 ~10 mmの凝集体は,規制はもちろん評価さえ行われていないのが現状であり,その対処が世界的検討課題となっている。しかしながら,製薬企業においてバイオ医 薬品中のタンパク質会合・凝集体を評価する技術は未だ旧態依然であると言える。またタンパク質の会合・凝集体やHost cell proteins等の免疫原性に関する認識においても,日本国内では未だ正確な情報の浸透は進んでおらず,国を挙げての啓蒙が必須であると考える。
本講演においては,タンパク質会合・凝集体を評価する技術にフォーカスし現行法の問題点を指摘するとともに今後の課題と解決法について提案する。