日本毒性学会学術年会
第41回日本毒性学会学術年会
セッションID: JH-6
会議情報

就職活動支援プログラム 安全性研究紹介
外資系企業
*本山 径子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
 製薬企業の使命は有効な医薬品を一日も早く必要としている患者様に届けることであり、そのミッションは内資系企業と外資系企業とも同じである。しかし、そのミッションを世界各国で遂行するに際し、医薬品承認申請手続きに必要な資料が国内と海外で違いがあり、海外で行った非臨床試験の要件は必ずしも国内の申請要件に従った試験内容と同じとは限らなかった。その違いについての説明や、加えて追加試験の再実施など、多くの時間とコストが費やされ、また動物愛護の観点からも問題視されていた。医薬品開発の国際標準化に伴って、各地域における申請内容と手順を共通化する目的でICH(International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use)が組織され、現在まで多くのガイドラインが発出された。その結果、以前の地域差による要求事項の違いや、非臨床試験の重複は解消され、内資系企業でも外資系企業でも各地域で提出する資料は共通となった。近年、開発効率化や合理化を求め、組織改組による研究所の統廃合が盛んに行われるようになり、その結果、安全性試験を含む開発段階での多くの非臨床試験は海外の研究所で実施される傾向が強くなった。
 このような背景から、多くの外資系製薬企業の国内前臨床担当者は、海外研究所で計画あるいは実施している非臨床試験について早期より情報を入手し関与することが必要となった。国内での臨床試験開始時あるいは承認申請時などの各段階において科学的根拠に基づき資料を作成し、関係当局に提出し、医療機関や関係部署からの問い合わせに対応する。非臨床試験のデータを解析することにより、被験者様、患者様の安全性について適切に評価し、説明することが求められる。本発表では、外資系製薬企業の国内前臨床担当者の業務に関して、内資系企業との違いと共通点、必要とされるスキル等を含めて概説し、外資系製薬企業における安全性評価について紹介する。
著者関連情報
© 2014 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top