日本毒性学会学術年会
第41回日本毒性学会学術年会
セッションID: O-41
会議情報

一般演題 口演
ナノマテリアルによる起炎性を規定する要因の探求 ~粒子径、表面積、粒子数との連関解析~
*西嶌 伸郎吉岡 靖雄平井 敏郎高橋 秀樹山口 真奈美半田 貴之角田 慎一東阪 和馬堤 康央
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

ナノマテリアル(NM)のハザードに関する報告が相次ぐ中で、その安全性確保が急務となっている。本観点から我々は、有効かつ安全なNMの創製および設計指針の構築(ナノ最適デザイン)に資する安全性情報の集積を図る、ナノ安全科学研究を推進している。NMは粒子径の減少に伴い、従来までのサブミクロンサイズの素材と比較して、単位重量当たりの粒子数や表面積が飛躍的に増加する。これまで、NMの安全性評価においては、粒子径の異なる素材のハザードを比較する場合、同じ重量を作用させ比較することが主流であったため、単位粒子数や単位表面積当たりにおけるハザードの比較はほとんどなされていないのが現状である。そこで本検討では、様々な粒子径の非晶質シリカ(10-1000 nm)を用い、単位粒子数や単位表面積当たりにおけるハザードの比較検討を試みた。重量濃度を揃えた各粒子径のシリカを、ヒトマクロファージ細胞株であるTHP-1細胞に添加し、炎症性サイトカインであるIL-1βの産生量を評価した。その結果、単位重量当たりのIL-1β産生量は、50-1000 nmのシリカ作用群では、粒子径の減少に依存して増加した一方で、50 nm以下のナノシリカ作用群では、逆に低下することが明らかとなった。この結果を、単位粒子数当たりのIL-1β産生量に換算して評価すると、粒子径が増加するほど、起炎性が高いことが示された。一方で、単位表面積当たりのIL-1β産生は、50-1000 nmのシリカではほぼ同等となる一方で、50 nm以下のシリカでは低下することが明らかとなった。従って、50-1000 nmにおける、粒子径の減少に伴う単位重量当たりの起炎性の増大は、単位重量当たりの表面積の増加に依存していることが明らかとなった。現在、50 nm以下のナノシリカにおいて、起炎性が低下するメカニズムを追及しているところである。

著者関連情報
© 2014 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top