日本毒性学会学術年会
第41回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-136
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一般演題 ポスター
デキストラン硫酸ナトリウム誘発マウス潰瘍性大腸炎モデルの検討
*木村 恵人美濃部 典子木村 輝理松田 仁美飯高 健石本 明宏堀 克彦左近上 博司
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抄録
【目的】これまで硫酸多糖体の1つであるデキストラン硫酸ナトリウム水溶液をラットに連日自由飲水させ、実験的潰瘍性大腸炎モデルの検討を重ねてきた。今回、デキストラン硫酸ナトリウム水溶液をマウスに自由飲水させ潰瘍性大腸炎モデルの作製を試みた。また、潰瘍性大腸炎治療薬の検討としてタクロリムス及びサラゾスルファピリジンの効果を検討した。
【方法】8週齢のC57BL/6J系雄性マウスにデキストラン硫酸ナトリウム(以下DSS)水溶液を7日間自由飲水させた。DSS水溶液飲水期間中、体重、飲水量、便の状態を毎日観察した。最終日に採血し、血液学的検査(RBC、WBC、Hb、Ht)及び血中サイトカイン(IL-6、SAA)の測定を行った。また、大腸(回盲部~肛門)を摘出し、大腸長の測定及び病理組織学的検査を行った。タクロリムス及びサラゾスルファピリジンの検討においては、DSS水溶液飲水開始日から経口投与した。
【結果】DSS水溶液を7日間自由飲水させることで、潰瘍性大腸炎の特徴的所見である、体重の増加抑制、血便及び貧血症状並びに大腸長の短縮が認められた。タクロリムスは、これらの症状を顕著に改善した。
 今回の検討により、マウスにDSS水溶液を7日間自由飲水させることで、実験的潰瘍性大腸炎モデルを作製することができ、本モデルに対する既存薬の効果を確認することができた。
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© 2014 日本毒性学会
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