日本毒性学会学術年会
第41回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-60
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優秀研究発表 ポスター
SD系ラットを用いた皮膚光毒性試験の検討
*米澤 豊大隅 友香世戸 孝樹中村 美智芦澤 紘子
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抄録
 in vivo皮膚光毒性試験ではモルモットが汎用される。今回、我々は一般毒性試験で使用されるSD系ラットを用いた光毒性評価が可能か否かを検討した。
 ラットでの光毒性評価の妥当性を確かめる為に、陽性化合物3種及び光毒性報告のある医薬品19種を用いて、Hartley系雌モルモットとSD系雄ラットで経皮投与による光毒性評価を実施し、モルモットとラットの結果の一致率を調べた。投与濃度は陽性化合物については文献値を採用し、医薬品については上限を10 w/v%とした。投与30分後、紫外線(UV-A及びB)を照射し、皮膚光毒性の有無を判定した。その結果、経皮投与で光毒性を示す化合物は、モルモットとラットともに10種であり、ラットを用いた評価はモルモットの評価と同程度の検出力を有することが明らかとなった。
 次に、一般毒性試験におけるTK採血用のサテライト群を用いた光毒性試験を想定して、SD系ラットを単回投与群と反復投与及びTK採血群に分け、陽性化合物である8-Methoxypsoralenを経皮投与した。それぞれ最終投与終了後に紫外線(UV-A及びB)を照射し、皮膚光毒性の有無を判定した。その結果、単回投与群と反復投与及びTK採血群ともに光毒性陽性反応を示し、TK採血の実施は光毒性評価に影響を与えないことが確認された。
 以上の検討から、ラットを用いた一般毒性試験におけるTK採血用のサテライト群での光毒性評価は可能であることが確かめられた。 一般毒性試験に光毒性評価を組込むことで動物数の削減が可能となり、動物実験の3Rに貢献すると考えられた。
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© 2014 日本毒性学会
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