日本毒性学会学術年会
第41回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-61
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優秀研究発表 ポスター
代替法を用いた皮膚感作性強度評価-in vitro試験を用いた解析-
*廣田 衞彦跡部 朋美足利 太可雄上月 裕一畑尾 正人相場 節也
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抄録
【背景、目的】香粧品開発において、感作性の評価は非常に重要であり、主に動物を用いた試験(murine local lymph node assay (LLNA)など)で評価されている。しかし最近、複数の感作性試験代替法が開発され、いくつかの代替法におけるガイドライン化が検討されている。また、複数のin vitro試験やin silicoモデルの組み合わせによる感作性強度評価に関する検討も報告され、代替法による感作性の有無だけでなく強度評価に関する関心も高まっている。これまで我々は、日本化粧品工業連合会(粧工連)の共同研究の一環として、複数の感作性試験代替法による感作性強度予測モデルの構築について検討した。本報告では、当時の検討の改良版として、h-CLAT/SH test/ARE assayの組み合わせについて、予測モデルの再構築を検討した。
【方法】In vitro感作性試験として、THP-1細胞のCD86及びCD54発現を指標としたhuman Cell Line Activation Test (h-CLAT) や同じくTHP-1細胞の細胞表面-SH基変化を指標とした SH test、Antioxidant Response Element (ARE) 領域とルシフェラーゼ遺伝子が組み込まれたAREc32細胞を用いたARE assayを用いた。組み合わせについて、各試験法から得られる特性値をニューラルネットワーク解析(ANN解析)に供して、LLNAの閾値(EC3または、非感作性物質の試験最高濃度)を予測するモデルを作成した。
【結果、考察】被験物質数約112から作成したh-CLAT、SH test、ARE assayによるANNモデルの予測値はLLNA閾値と概ね良好な相関性(R=0.8)を示した。
以上の結果より、今回構築したモデルは感作性の強度評価に有効なことが示唆された。
【謝辞】本研究は、日本化粧品工業連合会 動物実験代替専門委員会 感作性代替法ワーキンググループ 2012年度共同研究の成果の一部を引用させていただいております。この場を借りて御礼申し上げます。
【参考文献】竹之内ら;日本動物実験代替法学会第25回大会, P1, 2012
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© 2014 日本毒性学会
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