日本毒性学会学術年会
第41回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-70
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一般演題 ポスター
臨床副作用と非臨床毒性の相関性-中枢神経系副作用の安全性薬理試験からの予測性解析-
*荻野 大和橋場 雅道藤吉 正人檜杖 昌則永山 隆西田 稔米田 保雄王鞍 孝子小平 浩田牧 千裕久田 茂中村 和市
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抄録
平成13~22年に承認された新有効成分含有医薬品のうち、抗腫瘍薬及びワクチン等を除く薬剤を対象に、5%以上の発現頻度の臨床副作用と非臨床毒性所見の相関性について調査した結果を第39回日本毒性学会にて報告した。同報告では発現数が多く、かつ非臨床試験よりその予測性が低い副作用として、筋・骨格の疼痛、発疹・湿疹・蕁麻疹、発熱等に加え、頭痛、疲労・倦怠感等の中枢神経系の副作用が挙げられている。今回の解析では、中枢神経系(体温異常を含む)の副作用の相関性の低さに着目し、安全性薬理試験成績(中枢神経系への影響)の網羅的な解析により、中枢神経系副作用と相関する非臨床所見がないか検討することとした。
前回調査対象とした医薬品の副作用データに平成11、12及び23年に承認された医薬品の副作用データを追加した調査対象より中枢神経系副作用及び体温異常について抽出し、発現薬剤数が10以上の臨床副作用を解析の対象とした。解析時には、各臨床副作用をふらつき・めまい(33剤)、疲労・倦怠感(32剤)、悪寒・体温上昇・体温変動感・発熱・熱感(29剤)、傾眠・眠気(31剤)、頭痛(65剤)、不眠・不眠症・睡眠障害(22剤)の6つにグループ化し、各薬剤の安全性薬理試験の一般症状・行動に及ぼす影響、フォローアップ試験(自発運動能、運動協調性、睡眠誘発作用、体温など)における非臨床所見との相関性について網羅的な解析を実施した。また、安全性薬理試験で認められた個々の非臨床所見の解析に加え、毒性試験用語集(国立医薬品食品衛生研究所)の症状観察用語分類(行動、神経系等)を基にグループ化した非臨床所見についても解析を実施した。
解析した臨床副作用について高頻度に認められる特定の非臨床所見は少なかったが、傾眠・眠気等、相関する非臨床所見が高頻度に認められたものもあった。また、大分類した非臨床所見との解析により認められた傾向についても報告する。
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© 2014 日本毒性学会
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