日本毒性学会学術年会
第41回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-76
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一般演題 ポスター
Toxygates: トキシコゲノミクスデータ解析プラットフォームの実装
*五十嵐 芳暢Johan T NYSTROM-PERSSON森田 瑞樹伊藤 真和吏中津 則之山田 弘水口 賢司
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抄録

薬剤を動物や細胞に暴露して遺伝子の発現変化を網羅的に測定した遺伝子発現プロファイルは,遺伝子レベルの毒性発現メカニズムの解明や毒性予測に役立つ. 2002年度から10年間継続された官民共同トキシコゲノミクスプロジェクトで取得された70GBの遺伝子発現プロファイルと40TBの病理所見画像は,Open TG-GATEs (http://toxico.nibio.go.jp) で公開されている.しかしながら,70GBの遺伝子発現プロファイルは生データのまま公開されているため,計算機に精通した研究者でも,複雑なデータ構造を理解して正しく解析するには少なくない時間と労力が必要になる.
我々はこのデータをよりオープンで使いやすくするために,トキシコゲノミクスデータの解析システムToxygatesを実装した.本システムでは,任意のエンドポイントによって群分けした化合物間において,発現差のある遺伝子をt検定などで抽出することができる.さらに,その結果から選択した任意の複数遺伝子を,時系列や用量変化に沿った発現変動パターンの類似性によってスコア化し,化合物を類似の遺伝子変動パターン順にランキングすることができる.この機能により同じような毒性発現メカニズムを持つ化合物候補を順位付けすることができる.また,トキシコゲノミクスデータのRDF (Resource Description Framework) 化を行い,ChEMBLやDrugBank,KEGG等の外部データベースとのSPARQLを介した統合を行った.このRDF化による統合によって,外部のデータベースを取り込むことなく,常に最新の外部データを参照できるようになった.さらに本システムでは,解析のどの段階からでもデータのダウンロードが可能である. Toxygatesはhttp://toxygates.nibio.go.jpを通して公開されている.

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© 2014 日本毒性学会
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