日本毒性学会学術年会
第42回日本毒性学会学術年会
セッションID: O-28
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一般演題 口演
創薬研究における戦略的な安全性評価ストラテジーの紹介
*岡田 晃宜中川 壯一
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抄録
薬剤開発における安全性懸念は開発中止あるいは市場撤退理由の大きな割合を占め、製薬メーカーにとって適切な安全性予測・評価戦略の構築は不可欠である。特に投資が膨らんだ開発後期での中止は経営インパクトが極めて大きく、前臨床早期での的確な安全性評価が望まれるところである。しかし、pre-GLP安全性評価については規制ガイドライン等が存在せず、また開発戦略や領域戦略に大きく影響を受けることから、各社各様の背景とポリシーで構築されていると思われる。欧米では各種学会や論文発表において製薬メーカーのpre-GLP安全性評価戦略が報告される例があるが、多くは一般化した内容あるいは一部の評価系や標的臓器に視点を置いた内容であり、創薬研究の現場に即した全体像およびその背景にある考え方を総合的にうかがい知ることは困難である。一方で昨今の科学技術の進歩により、利用可能な最先端の毒性評価系や技術(in vitro/in silico系、モデル動物やバイオマーカー)は数・質・スピードがいずれも増したものの、従来のin vivo評価に比して使用目的が細分化されてきた傾向があり、総合的な創薬毒性評価体系への効率的な組み込みは容易ではない。本発表では、弊社における創薬研究における探索安全性研究の考え方と戦略について紹介する。本発表が、本邦におけるpre-GLP安全性研究者の議論とコミュニケーションのきっかけとなり、創薬研究の発展に少しでも寄与することができれば幸いである。
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© 2015 日本毒性学会
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