日本毒性学会学術年会
第42回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-106
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シングルパーティクル(SP)-ICP-MS法によるナノ粒子分析の環境および生体試料への適用
*小林 恭子敷野 修Aaron HINEMANChady STEPHAN
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抄録
[はじめに] ナノ材料の粒子径は、材料の均一性を示す指標として重要な項目の一つである。また、ナノ粒子の様々な一般消費財への利用が増加しており、それに伴い、ナノ粒子が及ぼす環境影響や生体影響が懸念されている。粒子径の測定手法としては、動的光散乱法や電子顕微鏡法が代表的であるが、それぞれに特徴と課題がある。シングルパーティクル(SP)-ICP-MS法は、ICP質量分析法の特長を利用したナノ粒子の新たな分析手法である。SP-ICP-MS法ではナノ粒子懸濁液を直接イオン源に導入し、試料中のナノ粒子を一粒子ごとに検出する。この際に重要なパラメータはデータ取り込み間隔(滞在時間)である。そこで、パーキンエルマー社製 ICP-MS NexION350シリーズを用い、滞在時間を変化させた際の粒子径および粒子濃度に与える影響を検討した。さらに、SP-ICP-MS法の環境試料および生体試料への適用も検討した。
[実験・結果] 直径50nmの金ナノ粒子懸濁液を試料とし、滞在時間を10~10000μsで変化させた際に得られる粒子径および粒子濃度を比較し、最適な滞在時間の決定を行った。滞在時間100μs以上では、粒子濃度は低く、粒子径は大きく見積もられる傾向があり、滞在時間は100μs以下に設定する必要があることが分かった。また、最適条件下で環境試料および生体試料中のナノ粒子測定を実施した結果についても報告する。
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© 2015 日本毒性学会
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