日本毒性学会学術年会
第42回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-111
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一般演題 ポスター
ニコチン誘発けいれんの原因部位およびメカニズムの解析
*國澤 直史清水 佐紀Higor Alves IHA大高 美幸近持 壽郎高久保 佑一熱田 侑大野原 孝紀吉川 健斗徳留 健太郎河合 悦子大野 行弘
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抄録
【目的】ニコチンは神経興奮毒性としてけいれん発作を誘発する。そこで今回、ニコチン誘発けいれんの原因部位とメカニズムを探索する目的で、神経興奮マーカーであるFos蛋白質の免疫組織学的解析および行動薬理学的検討を行った。
【方法】実験にはddY系雄性マウスあるいはSD系雄性ラットを用いた。まず、マウスにニコチンを腹腔内投与し、けいれん発現を行動薬理学的に評価するとともに、各種nACh受容体拮抗薬の作用を評価した。また、ニコチン投与の2時間後に脳を摘出し、抗Fos抗体を用いた免疫組織染色を行い、各脳部位におけるFos免疫陽性細胞数を計測した。さらに、ニコチンによりFos発現が上昇した脳部位について、ラットを用いた電気破壊実験を行った。
【結果および考察】ニコチン4 mg/kgの投与により、検討したほとんどの動物でけいれん発作が誘発された。ニコチン投与によるけいれん発現は、非選択的nACh受容体拮抗薬のmecamylamineにより完全に、α7 nACh受容体拮抗薬のmethyllycaconitineにより部分的に拮抗されが、α4 nACh受容体拮抗薬のdihydro-β-erythroidineによってはほとんど影響を受けなかった。一方、脳内Fos蛋白の発現を解析した結果、島皮質、梨状葉皮質、扁桃核内側核、手綱核、視床、視床下部、孤束核でニコチン投与による有意なFos発現上昇が認められた。また、これら脳部位におけるFos発現の上昇は、mecamylamineにより有意に抑制された。さらに、島皮質、梨状葉皮質、扁桃核内側核を電気破壊した結果、扁桃核内側核の破壊によってのみ、ニコチンによるけいれん発現が有意に抑制された。以上の結果より、ニコチン誘発けいれんの発現には一部α7 nACh受容体が関与しており、特に、扁桃核内側核が発作発現の原因核であることが示唆された。
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© 2015 日本毒性学会
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