日本毒性学会学術年会
第42回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-219
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一般演題 ポスター
Crl:CD1(ICR)マウス(IGS)を用いた中期皮膚発がん性試験における12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate (TPA)の皮膚腫瘍発生への影響
*沼野 琢旬土井 悠子今井 則夫萩原 昭裕米良 幸典
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抄録
【目的】
中期皮膚発がん性試験で用いるICR系マウスのIGS(International Genetic Standard)生産システムへの移行に伴い、現在、同試験において使用している非IGSマウスとの皮膚腫瘤発生に対する感受性について、陽性対照物質である12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate (TPA)を用いて検討した。
【材料と方法】
動物は7週齢の雌のIGSマウス[Crl:CD1(ICR)]及び非IGSマウス[Crlj:CD1(ICR)][日本チャールス・リバー株式会社(CRJ)]を用いた。
背部被毛を剪毛した全動物に、イニシエーション処置として7,12-Dimethylbenz[a]anthracene(DMBA)を100 µg/100 µLの用量で1回経皮投与した。
その1週後より19週間に渡り、IGS及び非IGS群にTPAを4 μg/200 μLの用量で週2回経皮投与した。また、TPAの用量反応性を検討するため、IGSマウスを用いて同一期間、TPA 4 μg/200 μLを週1回又は2 μg/200 μLを週2回、経皮投与する群も設けた。対照群にはDMBA投与の1週後より19週間、媒体のアセトンを週7回経皮投与した。
【結果・まとめ】
TPAを4 µg/200 µLの用量で週2回投与したIGS及び非IGS群では、共に実験7週時より腫瘤の発生がみられ、発生率は実験14週時に100%に達し、腫瘤の発生時期並びに発生率に生産システム(IGS/非IGS)による違いはみられなかった。 またTPAを4 µg/200 µLの用量で週1回、2 µg/200 µLの用量で週2回投与した群では、共に実験8週時より腫瘤の発生がみられ、4 µg/200 µL(週1回)投与群の発生率は実験20週時に100%に達した。対して2 µg/200 µL(週2回)投与群における腫瘤発生率は、実験終了時で90%であった。また対照群に腫瘤発生はみられなかった。
個体あたりの平均腫瘤発生個数は、TPAを4 µg/200 µLの用量で週2回投与したIGS群で22.4個、非IGS群で21.2個、同用量で週1回投与した群では14.9個、2 µg/200 µLの用量で週2回投与した群では11.4個であった。
現在、マウス背部皮膚に発生した腫瘤の病理組織学的検査を進めており、検査結果とあわせIGSマウスにおけるTPA処置による皮膚腫瘍発生への影響を報告する。
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© 2015 日本毒性学会
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