日本毒性学会学術年会
第42回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-226
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一般演題 ポスター
SD系ラットを用いた経口投与による皮膚光毒性試験の検討
*米澤 豊中村 美智宮下 泰志片岡 暁芦澤 紘子
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抄録
in vivo皮膚光毒性試験ではモルモットが汎用される。今回、我々は一般毒性試験で使用されるSD系ラットを用いた光毒性評価が可能か否かを検討した。
SD系ラットでの光毒性評価の妥当性を確かめる為に、陽性化合物2種及びReactive Oxygen Species assayにて光毒性陽性と判定された医薬品11種を用いて、Hartley系雌モルモットとSD系雄ラットで経口投与による光毒性評価を実施し、モルモットとSD系ラットの結果の一致率を調べた。投与濃度は既報またはMTDを採用した。照射時間については、既報またはTmaxを採用した。
薬物を経口投与後、紫外線(UV-A及びB)を照射し、皮膚光毒性の有無を判定した。その結果、経皮投与で光毒性を示す化合物は、モルモットとSD系ラットで8種であり、一致率は85%(11/13化合物)であった。以上の結果より、SD系ラットを用いた評価はモルモットの評価と同程度の検出力を有することが明らかとなった。
 次に、一般毒性試験におけるTK採血用のサテライト群(TK採血群)を用いた光毒性試験を想定して、SD系ラットを単回投与群と反復投与群及びTK採血群に分け、陽性化合物である8-Methoxypsoralenを経口投与した。それぞれ最終投与終了後に紫外線(UV-A及びB)を照射し、皮膚光毒性の有無を判定した。その結果、単回投与群と反復投与及びTK採血群ともに光毒性陽性反応を示し、TK採血の実施は光毒性評価に影響を与えないことが確認された。
以上の検討から、SD系ラットを用いた経口光毒性評価及び一般毒性試験におけるTK採血群での評価は可能で、一般毒性試験に光毒性評価を組込むことにより、動物及び試験数の削減、適切な照射時間の設定、反復投与による影響評価が可能となり、評価期間の短縮、広域な毒性情報の取得及び動物実験の3Rに貢献すると考えられた。
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© 2015 日本毒性学会
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