日本毒性学会学術年会
第42回日本毒性学会学術年会
セッションID: S9-3
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シンポジウム9 Species Differences in Xenobiotic/Drug Metabolism ~異物/薬物代謝の種差解明の最先端~
Phase II酵素の欠損動物と非欠損動物 ー新たな動物種マッピングー
*池中 良徳Aksorn SAENGTIENCHAI筧 麻友Wageh Sobhy DARWISH水川 葉月中山 翔太石塚 真由美
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抄録
化学物質に対する最も基本的な生体防御機構は異物代謝系である。一方、これら異物代謝系の動物種差が、各動物の化学物質に対する感受性に強く寄与することが知られている。各生物が持つ異物代謝系には大きな種差があることが報告されている。例えば、異物代謝・第II相抱合反応において、ネコではグルクロン酸抱合、イヌではアセチル抱合およびブタでは硫酸抱合遺伝子が欠損していることが獣医学領域の研究から明らかになっており、投薬時に注意を要する。しかし、これら異物代謝系の動物種差に関する知見は、一部の実験動物を除くとほとんどの生物種で十分に解明されていない。
我々の研究グループでは、野生動物を含む様々な動物の異物代謝・第II相抱合反応を解明するため、in vivo、in vitroレベルおよびゲノム情報を用いた評価法の構築を行った。その結果、グルクロン酸抱合活性が低いと言われているネコ科動物以外にも、フェレットやトド、北オットセイ等の野生動物でもその活性が低いことが明らかになってきた。一方、硫酸抱合活性が低いと言われてきたブタでは、その活性は代表的な実験動物であるラットと変化が無いことが明らかになった。
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© 2015 日本毒性学会
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