日本毒性学会学術年会
第43回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-115
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一般演題 ポスター
週齢差・性差および媒体の違いによる毒性変化 -上げ下げ法によるLD50値を用いた有機リン剤に対する感受性の検討
*田島 均元村 淳子藤江 秀彰林 宏一小松 豊首藤 康文青山 博昭原田 孝則
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抄録

【背景・目的】 農薬の毒性は,週齢,性別および媒体の違いによって異なる感受性を示すことが知られている。そこで,神経毒性試験や生体機能影響試験等における有機リン剤の陽性対照物質を用いて,急性毒性試験の上げ下げ法により半数致死量(LD50値)を推定し,条件の違いによる毒性変化の違いを検討した。
【方法】 LD50値の算出は,OECDのガイドラインに準拠して急性毒性試験の上げ下げ法を用いて,開始投与用量をLD50予備推定値未満に設定した。有機リン剤であるパラチオンとメタミドホスを1%Tween80,Corn oilを媒体にそれぞれ懸濁した。若齢期(3週齢)および成熟期(8週齢)の雌雄Wistar系ラットに被験物質を単回経口投与し,投与後48時間までの生存状況に基づき次の投与用量を決定した。症状の観察は,投与後30分,1,4,6時間,その後1日1回,合計14日間実施した。
【結果・考察】 パラチオンに関して,毒性の差が最も顕著だった組み合わせは,成熟期の雌性の1%Tween80と成熟期の雄性のCorn oilで,8.43倍毒性の差が認められた。成熟期より若齢期,雄性より雌性,Corn Oilより1%Tween80の組み合わせで毒性が強く発現する傾向が認められた。一方,メタミドホスでは,若齢期の雄性のCorn oilと成熟期の雄性の1%Tween80で,最大1.94倍の毒性の差が認められたが,その他の組み合わせでは顕著な差が見られなかった。また,使用媒体によって毒性発現が大きく異なる場合があり,オイルを基剤とした若齢動物における毒性が最も強く現れるとは限らない。これらの実験条件の差異による影響についても留意して,毒性試験のデザインや評価を行う必要性があることを改めて確認した。

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