日本毒性学会学術年会
第43回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-44
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一般演題 ポスター
ラット肝臓における細胞特異的マイクロRNAの探索
*織田 進吾赤井 翔中島 晶横井 毅
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抄録
薬剤性肝障害の診断バイオマーカーとして、血清マイクロRNA (miRNA) の測定が提案されてきた。薬剤性肝障害においては肝実質細胞が主に傷害されるが、肝実質細胞特異的に発現するmiR-122の血清における上昇が肝細胞障害を反映することが示されている。一方で類洞内皮細胞、星細胞、クッパー細胞等の非実質細胞を起点とする傷害も知られるが、この評価にはmiR-122では不十分と考えられる。非実質細胞特異的なmiRNAはバイオマーカー候補となり得るが、これまで肝実質細胞以外の細胞種に特異的なmiRNAは明らかにされていない。本研究では、バイオマーカー開発において有用な情報を提供する為に、各細胞種特異的なmiRNAの探索を目的とした。6週齢の雄性SDラットより灌流法により肝実質細胞および非実質細胞を単離した。非実質細胞を用いて、培養ディッシュへの結合性からクッパー細胞を、SE-1抗体結合ビーズを用いた精製法により類洞内皮細胞を、フローサイトメトリーにより星細胞を単離した。各細胞の純度はフローサイトメトリーにより測定した。単離した各細胞よりsmall RNA画分を抽出し、miRNAの網羅的解析を行った。網羅的解析の結果、各細胞種特異的なmiRNAが見出された。本学会において、個別定量PCRによる結果も報告予定である。以上、ラット肝臓における細胞特異的miRNAの発現情報はバイオマーカー探索において有用であると考えられる。
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© 2016 日本毒性学会
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