日本毒性学会学術年会
第43回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-51
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一般演題 ポスター
ラット28日間反復投与毒性試験における尿中腎障害バイオマーカーの評価
*小松 弘幸鈴木 慶幸橘田 久美子池田 元太江田 景高尾 みゆき久保田 貴之門田 利人秋江 靖樹齋藤 嘉朗前川 京子三嶽 秋久
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抄録
 【目的】急性腎障害の早期診断のために様々な尿中バイオマーカー(BM)が開発されている.我々は,尿中L-type Fatty Acid Binding Protein(L-FABP)が 腎微小循環障害を反映する虚血・酸化ストレスマーカーであり,非臨床腎障害モデルにおいても早期に障害を検出できるBMであることを報告してきた.今回,我々は,ラット28日間反復投与毒性試験において尿中L-FABPを含めた新規腎障害BMの変化を比較検討した.
 【方法】雄性SDラット(N=5)にゲンタマイシン(皮下),アロプリノール(経口),アセタゾラミド(経口)を28日間反復投与した.各化合物の投与量は公開されているデータベース(トキシコゲノミクスインフォマティックプロジェクト2: http://wwwtgp.nibio.go.jp/index.html)のデータを参考に腎臓に軽微な変化がみられる付近の用量を設定した.初回投与後6時間,24時間,7,14,28日後に採尿および採血を実施した.血液生化学検査としてBUN及び血清クレアチニン(JCA-BM6010,日本電子)を測定した.尿中バイオマーカーはL-FABP,NGAL,Kim-1,NAG,Cystatin C及び TPを全自動生化学測定装置(JCA-BM6010,日本電子)及びELISA法で測定した.腎臓はHE及びPAS染色を行い,病理組織学的検査を行った.
 【結果】各化合物とも,一般状態,体重,血中腎障害BM(BUN及び血清クレアチニン)は投与期間を通じて明らかな変化はなかった.本発表では,尿中L-FABP及び腎障害BMの変化と腎臓の病理組織学的変化との関連性を報告する.
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© 2016 日本毒性学会
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