日本毒性学会学術年会
第43回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-50
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一般演題 ポスター
イヌのゲンタマイシン腎障害モデルにおける臨床バイオマーカーL-FABPと新規腎障害バイオマーカーの評価
*鈴木 慶幸小松 弘幸橘田 久美子江田 景高尾 みゆき久保田 貴之相良 聡美門田 利人菅谷 健秋江 靖樹三嶽 秋久
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抄録
 【目的】急性腎障害の早期診断のために様々な尿中バイオマーカー(BM)が開発されているが,非臨床と臨床を橋渡しできるBMはまだ数えるほどである.我々は、これまでに,本邦及び欧州で体外診断薬として認可されている尿中L-type Fatty Acid Binding Protein(L-FABP)に着目して,L-FABPがラット腎障害モデルにおいて有用な腎障害BMであることを報告してきた.L-FABPは腎微小循環障害を反映する虚血・酸化ストレスマーカーであり,ラットを用いた実験では発症の早期に腎障害を検出できることが示されてきたが,非げっ歯類での報告はほとんどない.今回,我々は,イヌのゲンタマイシン腎障害モデルを用いて,尿中L-FABPと新規及び既存の腎障害バイオマーカーの変化を比較検討した.
【方法】雄性ビーグル(N=3)にゲンタマイシンを12.5,50及び200 mg/kgと用量を漸増しながら単回皮下投与した.各投与の間には6~7日間の休薬期間を設けた.投与前,投与後6及び24時間に採血及び採尿を行い,血中(BUN,血清クレアチニン)及び尿中(L-FABP,NGAL,Kim-1,総タンパク,NAG)の腎障害BMを測定した.最終投与翌日に剖検し,腎臓の病理組織学的検査も行った.
 【結果】イヌにゲンタマイシンを12.5,50及び200 mg/kgの用量で皮下投与した結果,血中腎障害BM(BUN,血清クレアチニン)は投与前後で明らかな変動はなかったが,これら以外のBMでは興味ある変化が認められた.本発表では,尿中L-FABP及び新規及び既存の腎障害BMの変動と腎臓の病理組織学的変化との関連性を併せて報告する.
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© 2016 日本毒性学会
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