抄録
近年,再生医療等製品を用いた安全性試験では,安全性薬理コアバッテリーの検査項目(中枢神経系,呼吸系及び循環器系)を組み込んで実施されることがあります.ヒト細胞由来製品の安全性評価のため,免疫不全動物又は免疫抑制剤投与動物が使用されます.
今回,免疫不全動物(NOGマウス,NOD SCIDマウス)を用いて取得した安全性薬理コアバッテリー(中枢神経系,呼吸系,循環器系)のデータを紹介いたします.
中枢神経系試験ではIrwinの方法をもとに症状の発現例数で評価を行いました.呼吸系ではWhole body plethysmographyにて呼吸数,1回換気量及び分時換気量の評価を行いました.循環器系ではテールカフ法を用い,血圧及び心拍数を評価しました.それぞれの陽性対照物質を投与し,影響が認められる測定系において細胞を投与し,影響を確認しました.