主催: 日本毒性学会
会議名: 第44回日本毒性学会学術年会
開催地: パシフィコ横浜
開催日: 2017/07/10 - 2017/07/12
【はじめに】2016年より日米規制当局へのCDISC標準形式による臨床及び一部非臨床試験の電子データ提出が義務化された。日本の電子データ提出の対象は臨床試験のみであるが、非臨床試験について2018年に方針が発表される予定である。CDISC標準データは、臨床及び非臨床試験データの統合的な利用も可能とし、医薬品のクラスエフェクトの解明やトランスレーショナル研究の振興に活用できるものと期待されている。このような状況で、臨床及び非臨床双方のCDISC対応を念頭に置くことは重要である。
【方法】CJUG SENDチーム内(参加42名)にて、臨床試験と非臨床試験のCDISC対応の差異及び担当者間の協業事例などを直接ヒアリングした。
【結果と考察】臨床試験と非臨床試験では、CDISC標準データを作成する過程の差異が大きいことが分かった。臨床試験では、主に医療施設より受領したデータからCDISC標準データ、最終帳票が直列の過程で作成される(非分岐型)。一方、非臨床試験では、主にLIMSへの入力データから最終帳票が作成される過程から分岐してSENDデータが作成される(分岐型)。Technical Conformance Guideには最終帳票と基となるデータのトレーサビリティの重要性が述べられており、分岐型の作成過程をとるSEND対応では、トレーサビリティの考え方を明確にしておくことが必要と考えられた。また、組織的な課題として、臨床領域でCDISC対応の中心的役割を果たしているデータマネジャ等、データに特化した担当者が非臨床領域では少ないことがあげられた。CDISC対応には、プログラミング等のデータハンドリングの技術や理解が有用なため、この領域の専門家育成は急務である。また、専門家が少ない現状では臨床担当者との協力は重要である。本発表では集った臨床・非臨床担当者間での協業事例についても発表する。