日本毒性学会学術年会
第45回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-230
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一般演題 ポスター
難溶性化合物のナノ懸濁液調製手法の検討 –毒性試験適用可能な調製容量での調製法確立–
*横山 雄一加藤 杏子上田 直子石毛 孝征谷口 友美野澤 亮介高塚 隆之
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抄録

【背景・目的】近年の医薬品開発において難溶性の候補化合物が増加しており,低曝露により毒性試験が困難なケースが生じている.これらの難溶性化合物開発における溶解改善手法として,発表者らのグループはこれまでナノ懸濁液を用いた曝露改善手法について報告してきた[1], [2].これらの報告における調製容量は探索段階での毒性試験,げっ歯類での毒性試験での適応を想定したナノ懸濁液調製容量(100 mL以下)であった. 今回,シンキー社製NP-500TWINを用いて,大動物反復毒性試験での適用を想定した調製容量でのナノ懸濁液の調製方法について検討したので報告する.

【材料と方法】難溶性化合物のモデル化合物としてフェニトイン,ニフェジピン,ナプロキセン,スピロノラクトン,ピロキシカム等を用い,微細化装置としてNP-500TWIN(シンキー)を使用した.粒度分布測定はMastersizer2000(マルバーン)を用いて測定した.

【結果】今回確立した調製方法により,濃度100 mg/mLのナノ懸濁液800 mLを一度の調剤において調製でき,大動物の反復投与毒性試験に十分な量の投与液を調製することが可能であった.また今回検討した5つのモデル化合物すべてにおいてd50<300 nm,d90<800 nmの粒度分布が得られ,適切にナノ化された懸濁液が調製できた.本発表ではナノ懸濁液の安定性評価に関する結果についても併せて報告する.

[1] Komasaka et al., Chem. Pharm. Bull. 62 1073–1082 (2014)

[2] 藤村 他., 第39回年会(P-215)/第41回年会(P-142)

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